経営系大学教員の授業の小ネタ

とある大学で経営学を教えている大学教員が授業で話せそうな小ネタを集めておくブログ

おやつのカール(『日経MJ』2017年5月29日、15ページ)

明治「カール」、東日本で販売終了へ

スナック菓子の販路は出店拡大の続くコンビニエンスストアの比重が高まる。ただ、コンビニ大手4社のうち、セブンイレブンなど3社はカールの販売を打ち切っている。唯一扱いのあるファミリーマートでも一部店舗のみにとどまる。

スーパーと異なり、売り場が限られるコンビニでは棚の争奪戦が激烈だ。コンビニの担当者は「小さいカップ入りのスナック菓子が売れる傾向が強まり、カールは自然と売れ筋から外れた」

日経MJ』2017年5月29日、15ページより引用)

(この事例はロングテールの話をする際に利用できるかもしれない。ただ、来年以降は学生にもなじみがなくなっていてもう使えないかもしれないが…

【講義での話し方案】

みんなが実際に足を運んで製品を購入するようなリアル店舗だと、売れなくなるとすぐに棚から並ばなくなってしまって、メーカーの売上がガクッと下がってしまう。そりゃそうだよね。小売り側からすれば、売れない製品を棚からどかして、その空いた分のスペースをもっと売れる製品にすれば、売上が増えることになるわけだから。

そうやって、小売りの棚から製品が消えると、メーカーにとってもその製品を作っても売れないという状況になるから、メーカーも生産を止めて、世の中から消えてしまうことになる。ちょっと今日配った日経MJの記事で囲ったところを読んでみてよ(事前にMJの該当箇所を印刷して、配布しておく)。カールは売れ筋から外れたせいで、コンビニの棚に並ばなくなってしまって、売れなくなっちゃったって書いてあるよね。だから、メーカー側も作っても利益が出ないんで、販売する場所を限定するようになっちゃった。こんな風に、リアル店舗だと売れなくなったテール部分の製品は、棚に並ばなくなってしまって、その結果、世の中から消えてしまう、ということが起きややすい。

でも、インターネット上だとどうだろうか…とロングテールの話に持ってく。