データで示すことが難しい販売促進のデメリット
マーケティングのPromotionで販売促進の説明をする際に、いつも困っていたのが「販売促進の効果は一時的なものになりやすい」というデメリットの説明である。
が、しかし。最近はまっているGoogleトレンドというサービスを使えば、それが簡単にデータで示せてしまうことにも気が付いた。このGoogleトレンドは、ある特定の言葉がgoogleを使ってどれだけ検索されたのかを時系列で示してくれるというサービスである。つまり、Googleトレンドを用いれば、消費者全体の関心度を間接的に測定することができる。
Googleトレンドでの「AKB48」検索結果
このサービスで「AKB48」と検索をすると以下のようなグラフが表示される。
これを見てもらえば分かるように、AKB総選挙が行われるタイミングでGoogleで「AKB」と検索する人の数は大きく伸びているけれども、その後は総選挙前とほぼ同程度にまで下がっていることが分かる。結局、総選挙という大きなイベントで一時的に消費者の関心を集めたとしても、それをきっかけにしてAKBの中身(曲や人物)自体に興味を持ってもらわなければ、その後の継続的な購買(=ファンの獲得)に至らないということである。
AKB総選挙は、マーケティングの観点から捉えれば、4P'sのうちPromotionの販売促進にあたるものである。そのため、このAKB総選挙の効果が一時的であり、全体の傾向を変えるまでに至っていないというのは販売促進を利用する際の注意点として使えるはずである。
ちなみに、このGoogleトレンドで色々な言葉を検索してみると結構面白いことが分かる。例えば、今”話題”の「森友学園」と「加計学園」を調べてみると、以下のようになり、消費者はすでに冷めつつあるにもかかわらず、マスコミが凝りもせず騒ぎ立てていることが分かる。
他にも、マンガ「ワンピース」と「ドラゴンボール」で比較検索してみると、以下のようなグラフがでてくる。
これからは
- ドラゴンボールとワンピースの関心度は同程度であること
- ドラゴンボールは10年以上前から高い関心を維持し続けていること
- ワンピースはロシアや東南アジアで人気があるのに対して、ドラゴンボールは北米・南米で人気があること
などが分かって、結構面白い。
こうしたトレンドの違いを卒論の出発点にするといった指導方法も可能かもしれない。
うーん、Googleトレンド、恐るべし。